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新たな年に
事務局も長めの冬休みをいただいておりました。あけまして・・・という挨拶は「いまさら」という時期になってしまいましたが、今年もどうぞよろしくお願いします。

国語単元学習を開拓し続けた国語教師・大村はまについて、さまざまな面からアプローチして知っていこう、知らせていこう、というのが、この「大村はまを知る窓」です。大村はま記念国語教育の会の会報「はまかぜ」のネット版です。これからもご愛読いただければ幸いです。


2010年11月13日に開催された第6回となる研究大会「埼玉大会」の報告の続きを、まずは掲載したいと思います。午後の部、実践研究発表の③高等学校からです。

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古典単元「『競べ弓』からの追跡
教科書教材の学習に「比べ読み(速読演習)」と「プレゼンテーション」を連結させる試み
       埼玉県立秩父高等学校 諸 井 雅 子                 
 教科書教材の学習に、応用として「比べ読み」を「速読演習」の形で入れ、その「比べ読み、(速読演習)」の結果をプレゼンテーションを通してクラス全体で共有するという構成になっています。古典文法がある程度身についた2年生の段階では、それを活用して長文をどんどん読んで理解できる力を身につけさせたい。しかし生徒の実態を見ると、習った文法がフルに活用できていない、途中で主語が分からなくなる、主観的な読みになるため話の概要を取り違える、古文の世界が身近でないので話をつなぐための想像力が働かない、といった様々な弱点があるわけです。こうした状況を踏まえて、主観に頼らないで、根拠を持って正しく速く概要をつかむ力を身につけるための単元を組もうと考えました。これが単元設定の理由です。「根拠を持ち、正しく速く概要をつかむ力」に特化させた単元を組んだということです。

 また、小集団による「比べ読み」を「速読演習」の形で入れ、その結果をプレゼンテーションさせたわけですが、狙いは2つあります。1つは自分の読みと他者の読みを対峙させることで、長文速読における自分の弱点を意識化させ、根拠を持って読むやり方そのものを学ばせたいということです。2つ目は教科書教材と関連教材の対比、そしてそのプレゼンテーションを通して作品による視点の違いに気づかせ、古典の世界の奥行きを学ばせたいということです。

 学習目標は、
1つ目は古文の速読力、つまり主観で読むのではなく文法をフルに活用し、根拠を持って正しく速く概要をつかむ読み方、以下「速読」と言いますけれども、それを学ぶこと。
2つ目に比較対照として他の文章、以下これを「追跡文」と呼びますが、これを問題意識を持って主体的に読むこと。
3つ目に小グループでの話し合い、「集団速読」と名づけているのですが、これを通して自分の読みの弱点を知り意識化すること。
4つ目に、比べ読みとプレゼンテーションを通して、作品による人物像や視点の違い、そしてその理由について根拠を踏まえて考えるということです。

 自分たちが追跡したい人物が描かれている文章を、「大鏡」、「栄花物語」、「小右記」、「枕草子」から用意した11の文章の中から1つ選びます。
 この「追跡文」の「速読演習」は大きく2つの段階に分かれています。第1段階は「1人読み」です。自分1人でできるだけ速く、目標25分以内で読んで設問に答える。第2段階は、それを踏まえて班ごとに行う「集団速読」です。班内で話し合いながら自分の読みを他者とぶつけ合い、できるだけ速く概要の完成稿を作る。最後の段階は、こうやって読んだ自分たちの「班の読み」のプレゼンテーションです。生徒達の原稿から「追跡文」が根拠を踏まえてしっかり読めていると感じました。生徒達は本気になってプレゼンテーションに臨みました。


明日は、この発表に対するフロアからの発言、発表者からの回答を掲載します。
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by ohmurakokugo | 2011-01-12 20:47
  

大村はま記念国語教育の会のネット版会報。国語教師・大村はまについて、知り、考え、試し、自分の力にしたいと集まった会。ご入会を歓迎します。お問い合わせは hokokugo@gmail.com まで。
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